たいへき 第1話 8種 本人は素直なつもりでも ねじれて見える

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第1話 8種 <ねじれ内向きタイプ>

主人「第0話で話になった、うちの次女の性格の事だけど」

ちま「さっそく教えて」

主人「たいへきではうちの次女のようなタイプを『ねじれタイプ』と言っている。
たいへきは10種類と言ったけど、5軸のオモテ・ウラで10種類なんだ」

ちま「あー、5タイプにそれぞれ裏表があるから10種類なのね」

主人「この中で『ねじれタイプ』は2種類。
外向きのねじれが7種、内向きのねじれが8種で、うちの次女は8種にあたる。
ねじれが外に向くと『他者に勝ちたい』になる。自分を打ち負かしそうな他者にねじれるからね。急場や勝負所で踏ん張る感じ。

これが逆に、ねじれが内に向くと自分の欲求や判断にねじれるわけだ。これはいつ終わるとも知れない過酷な環境に耐えようとする心の所作といえるね。

俺から見て、次女は抑圧なく育っている。内向きねじれの子がここまですくすく育つのは珍しい。
君は頑張っていると思うよ」

ちま「上から目線か!」

主人「(無視して)次女は内向きねじれの8種だから、あれしなさい、これしなさいと言ってもねじれるし、ほしいものはいらないって言うし、やりたいこともやりたくないって言うようなことが目立つ。

問題は、いつもいつもねじれるわけではないってこと。あくまで本人の意識に上がった事柄に対してねじれる。

言わば子どもの恋愛みたいなものだね。普段意識しない時は仲良いくせに、他者に指摘されて意識するとねじれだすわけだ」

ちま「なんだか……どうすればいいの?」

主人「そうだね。本人は自分がねじれていると気付いていない。
むしろ心から『自分ほど素直な人はいない』と思っているはずだ。
でも、ほしいものは「ほしい」と「素直に」意思表示しないと実際に手にする上で無用な障害になるだろう?」

ちま「そりゃそうだよ。普通、『いらない』って言われたら、まさか『実は欲しかった』とは思わないよ」

主人「どの種でも、多かれ少なかれ、自分らしさを抑えて社会性の着ぐるみを着て生きている。
しかし、8種の人は特に大変なんだ。本人も周囲もね。
他の種の人から『ねじれて見える行動』と『8種の人にとっての内的な素直さから来る行動』が重なってしまうわけだから」

ちま「ははあ」

主人「だから、8種の次女に『素直になりなさい!』といった声かけは全く無駄だ。それどころか逆効果。本人は主観的には素直に生きているわけだから、単にその子らしさを否定する働きかけに受け取られてしまうわけ」

ちま「あああー!!やってしまったかも〜〜〜〜!!」

主人「素直さの概念そのものがねじれていると理解すれば、簡単な話だ」

「たとえば『次女ちゃんにはちょっと難しいと思うけど〜〜〜?』とひとひねりして水を向けると、それに対してねじれて、他の種から見た意味合いでの素直さが出力される」

ちま「たしかにねじれて『私なら、できる!』って素直に言いそうw」

主人「これはむしろ、ちょっと本気で難しめのものに意識を向けさせる方が無難だと思う。
こちらが難しいと思ってないし、実際難しくもないようなもの。たとえば学校の宿題みたいなルーチンに関して『難しいと思うけど』って一つ覚えで言っても操作主義が透けて見えるだけだ」

ちま「子どもは鋭いからね」

主人「すると、そこを意識してねじれ始めるので、こちらの思い通りに動かなくなる可能性が高い。感覚そのものは働きかけ側も本音で素直にいく方が安全だ。塩梅は個性や関係性を見てだけど、客観的にちょっと意地悪く見えるくらいで伝えるべきかな。もちろん反応はきちんと観察してくれ」

ちま「なんかできそうな気がしてきた」

主人「あくまでも、これは8種性が出たときに特異的に有効なやり方だ。他のときにはやっちゃダメだよ。そのまま反発されて言葉尻を取られたり、萎縮したり、信頼を損なったりするからね」

ちま「じゃあ次女だけにそうするかなあ」

主人「属人的に対応を決め打ちするのはダメだ。あくまでも、8種性の発火に対する処置なんだから」

ちま「なになに?雲行きあやしいじゃない」

主人「そもそも、生まれつき8種でない子は、8種とまったく無縁なのか?というとそうでもない。
たとえば、どの子でも8種の要素が強くなるという期間がある」

ちま「そんな地獄のような期間があるの?」

主人「2〜3歳のイヤイヤ期と中学生くらいの反抗期だね。君も子どものイヤイヤ期には困らされただろう?」

ちま「そうか!長女も次女もイヤイヤ期には手を焼いたね!
お着替えしてください「いや
ご飯の時間です「やだ
って始終こんな調子だもの
それでも某通信教育のアドバイスでなんとかうまく行ったけど。

反抗期は未知の領域だけど…… 中学生くらいの反抗期にもそういうのあるのかな?」

主人「年齢が上がった分、複雑で抽象的な感じになるだろうね。
親とか社会に対する『素直で内発的なねじれ』が『自立』の始まりってことだろうね。
成長にとってはきわめて大事な要素なのに、厄介ごと、腫れ物のように扱われたりする現状が問題なんだと思う」

ちま「ねじれが『自立』の始まりだと思うとなんかすごいね。
親からの脱却なわけだから、本来なら元服モノなんだね」

主人「成人したって言いたいわけねw

いずれにせよ、巣立ちの前準備としての『反抗期』であり『ねじれ』なのは確かだろうね。

たしかに『反抗期の子に対して腫れ物扱いして、ねじれても快適な環境が提供されるという状況が無制限に続く』みたいなのは、自立という機能に対して大きくマイナスであるばかりか、負の関係性が強化維持されてそこからの離脱を難しくさせる。まさに共依存化だね」

ちま「共依存……甘やかしとニートの関係性とかかあ。

主人「もともと成人の通過儀礼って『独り立ち』の前段という位置づけだったと思う。巣立ちを促すため親が子を追い出す働きかけは野生動物でも見られる王道だよね。それは多大な労力を割く成長イベントだったわけだし、それを反映して継承されたのが各文化風習における『通過儀礼』なんだろう。

昨今問題視されている、引き篭りやらの問題は、巣立ちと反抗期、それらに関係する『ねじれの効用』に対する無理解ゆえの問題だけど、さらにそれを後押しする要素もあるね。

人間の場合は、心身の自立と、社会的自立に時間差があるのも大きい。

反抗期は普通、ティーンエイジャーで迎えるけど、それくらいの年齢での社会的自立は現代社会では現実的でないのが一般的だ。

俺の考えでは、これは、社会デザインの側に問題があるという認識だ。生物としてのデザインに即しない制度や共同体のあり方という証拠なのだから。

発達による精神的自立と整合する社会的自立をシステムとしてデザインするのが、個の力を発揮する上でも必要だし、社会的生産性を高め維持する上でも重要だ。

この辺は子育ての総論とか、福祉やら公教育の話になるから、また別でまとめるかな」

ちま「ねじれも色々奥が深い」

主人「ところで、8種の人と8種の人が出会ったらどうなると思う?
互いのねじれに気付くと思う?」

ちま「どうかな。気付かないんじゃない?それより自分のねじれに気付いたりしてねw」

主人「これがおもしろい。
相手がねじれていることは割とすぐ気付くんだけど、自分のねじれにはなかなか気付きにくいんだよ」

ちま「なにそれ!」

主人「さらに、8種の人は本気で心の底から『素直に』ねじれているので、『自分は素直だ』と思っている。
だから8種の説明を聞いて『自分はひねくれているから8種か?』などと思った大半の人は別の種だったりするんだよ」

ちま「自分の『ねじれ』を自覚してないわけか…」

主人「これが面白いことに、いや面白がっちゃいけないのかもしれないけど、ねじれタイプというものを知識として構造的に知った8種は、ねじれ状態に対する自己言及が始まる。
自分の考えが素直に出てきたものか、それともねじれから発生したものなのか、とかね。

それでも自分のタイプは知っておいたほうがいい。ねじれに限らずね。この自己言及については、自分のタイプだけでなく、他のタイプについても知ることで整合的に対処できるようになってくる」

ちま「そうなんだ」

主人「簡単に言えば、タイプ分けがきちんとしているから、『完全に同時に優劣なく発火』とか『明らかにどの発火でもない』というようなことがデザイン上存在しない。

今の発火が、8種的なものなのか、そうでないのか、その識別は、特に生来的に8種に重みづけされた個体の人には重要になるね。

他の人も大なり小なり同じことは言えるけどね。

だから、どの指向性で意図的に『ひとひねり』したいのか、それとも『ひとひねりしてみたいだけ』なのか、自力で区別できると、それに沿って相手への提示ができるようになる」

主人「自分だけでなく、相手の発火パターンも読めれば、より相互に受け取りやすい提示をデザインできる。

これを、単なる迎合でなく、自分の内なる欲求に沿って一貫した戦略として不断に実践していくことは自己実現であり、他者への誠実さとも言える。なにより無駄な衝突を未然に防げるポイントでもある」

ちま「でも、内向きねじれってなんか大変なたいへきだね」

主人「まあ、ひいき目に見て最難関かな。まず最初に理解しておきたい要素ということだね。この機会にきちんと説明できてよかったよ」

・・・

主人「一覧表を用意したので、そちらも参考に。
深く知りたい人は『キャラクターで説明シリーズ』を参考に漫画を読んでみてもいいですよ。

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